就労継続支援B型サービスの利用希望者に対しては、必要に応じて「就労アセスメント」が行われます。
サービス利用希望者が最も適した場所で働くことができるように、就労能力や就労に対する意欲などを評価するシステムです。
就労継続支援B型の利用適否を評価するだけでなく、その他の就労支援サービスの利用や一般就労なども選択肢として利用希望者が就労するのに適した場所を評価します。
今回は、就労アセスメント制度の目的と利用対象者について説明します。
目的
就労継続支援B型を含む就労支援サービスは、 障害者がそれぞれに最も適した「働く場」に円滑に移行できるようにするため、生活面の課題解決に向けた支援や、就労能力の向上に向けた支援を行います。
このような支援を適切で継続的な就労支援を行うためには、サービス利用者の能力や生活状況を踏まえて行われる必要があるため、利用希望者の就労面や生活面に関する情報を把握するために就労アセスメントを実施します。
主に就労継続支援B型サービスの利用希望者に対して行われますが、就労継続支援B型利用の適性把握のみを目的としているのではなく、それ以外の就労方法(就労継続支援A型、就労移行支援事業所、一般就労)を含めた就労についての適性が評価されます。
就労アセスメントは、主に就労移行支援事業所によって実施され、面談や作業観察などを通じて利用希望者の作業能力や集中力、就労意欲などを把握します。
アセスメントにより把握された情報は、一連の就労支援が行われる中で、各機関によって共有・更新され、長期間にわたって活用されることとなります。
利用対象者
就労継続支援B型事業所を利用できる条件とは?で紹介したとおり、就労継続支援B型事業所の利用対象者となる条件は以下の三つです。
- 就労経験がある者であって、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難となった者
- 50歳に達している者又は障害基礎年金1級受給者
- 1及び2に該当しない者で、就労移行支援事業者等によるアセスメントにより、就労面に係る課題等の把握が行われている者
「3」に記載されているとおり、「1」と「2」に該当しないサービス利用希望者は、アセスメントにより就労面の課題などの把握が行われている必要があります。
このために必要なのが今回紹介した「就労アセスメント」です。
具体的には、就労経験がなく、年齢が低く、障害基礎年金の階級が高くない場合に該当します。
例えば、特別支援学校生徒などが卒業後すぐに就労系障害福祉サービスの利用を希望する際などに必要となります。