厚生労働省は障害者に関連する実態調査を多く実施しており、調査結果の多くは政府のWebサイトで公開されています。
今回はそのような調査結果から「社会福祉施設等調査」という調査を紹介いたします。
どのような調査?
調査の目的は「全国の老人福祉施設や障害者支援施設、児童福祉施設等及び障害福祉サービス等事業所・障害児通所支援等事業所を対象に、毎年行われている調査です。この調査は社会福祉行政の推進のための基礎資料を得ること」とされています。
就労継続支援B型事業所などの障害者福祉サービスを含む社会福祉施設等について、施設数や従業員数、在所者数、退所理由など施設等に関する利用実態の調査が主な目的です。
その結果は社会福祉行政の推進のための基礎資料としても扱われるため、調査結果より得られた利用実態を踏まえて将来の行政サービスが改定される可能性が考えられます。
調査の対象は?
社会福祉施設等が広く調査対象となっており、障害福祉関連のサービスとしては就労継続支援(A型、B型)、放課後等デイサービス、居宅介護、共同生活援助などが対象となっています。
その他にも老人福祉関係、児童福祉関係などの分野が調査対象となっています。
これらのサービスを実施する施設や事業所から合計40,918施設と76,547事業所が調査対象として抽出されました。
このうち、調査の回答を得られたのは36,676施設と62,166事業所であり、これらの報告が調査結果として取りまとめられ、CSV形式の様々な結果表を以下のWebページからダウンロードすることが可能です。
最新の調査結果は令和元年調査分です。
(参考資料 e-stat「統計で見る日本 社会福祉施設等調査」)
調査項目は?
合計160個の調査結果表が掲載されています。
例えば、障害者福祉サービス事業所関連では自立訓練事業、就労継続支援事業などのサービス種類ごとの退所理由(就職、他の障害者福祉サービスなどを利用、入院・・・など)が年間の人数を集計されています。
結果を確認すると退所者総数のうち就職のために退所した人の割合は就労継続支援事業A型では約25%、B型では約13%となっていることがわかります。また、同じサービス内の他の事業所へ移動するため退所している人は、A型では約11%、B型では約20%となっており、就労継続支援B型事業の利用者の方は同じB型サービスの他の事業所へ移動している人が多い傾向となっています。
他にも、以下のような項目を含むなど多くの集計結果が公開されています。
- 退所理由(就職、家庭復帰、入院・・・など)ごとの障害者関連施設退所者の退所後の住居(自宅、グループホーム、入所施設・・・など)
- サービス種類ごとや経営主体(地方公共団体、医療法人・・・など)ごとの月間営業日数階級(1~9日、10~19日・・・など)
- 居宅介護や重度訪問介護サービスなどの訪問系サービスにおけるサービス種類ごとの訪問回数階級(10~19回、20~29回・・・など)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
障害者福祉サービス等の社会福祉施設等の利用実態についての調査について概要を紹介いたしました。
かなり多くの項目について調査されており、関係する項目ではとても参考になると思います。
このように、省庁が実施している調査結果の多くは政府のWebページにおいて公開されおり、だれでも内容を確認することができるので確認してみると、障害者福祉施設の運営に役立つ情報を知ることもできるかもしれません。
このブログでは、今後も結果が公開されている様々な調査を紹介していく予定です。