障害がある方が就労訓練を行うことができるサービスである就労継続支援B型事業を行う事業所の収入には、就労訓練として行う生産活動による売り上げとは別に、自治体から支給される「訓練等給付費」という給付金があります。
この給付金は事業所の大切な収入源となっています。
給付金は、一定金額が一律に給付されるのではなく、事業所の運営実績に応じて金額が変わります。
今回は、「訓練等給付費」が支給される目的と、金額どのように決定されるのかについての概要を説明いたします。
訓練等給付費とは
就労継続支援事業は、障害者総合支援法における「障害福祉サービス」のうち、障害がある方が就労訓練などの支援を受けることができる「訓練等給付」というサービスの一つです。
なお、「訓練等給付」以外のサービスの一つである「介護給付」には、居宅介護や短期入所など実際に介護の支援を受けるサービスが含まれます
障害がある方にサービスを提供した事業者は、自治体から「訓練等給付費」としてサービスに要した費用を支払われます。
また、訓練等給付費は事業所で働くスタッフの人件費やその他の運営費として利用するものであり、サービスの利用者への工賃は生産活動からの収益で支払わなければなりません。
訓練等給付費はどのように決定されるのか
「訓練等給付費」は事業所の事業実績に応じて金額が変わります。
事業所の事業実績は、主に各月の事業所の定員と平均工賃月額を元に算定されます。(就業継続支援B型サービスの場合)
どのような指標を事業実績とするかは、サービスの目的を踏まえて設定されているため、障害福祉サービスにより異なります。
例えば、就業継続支援B型サービスの場合は上記の通り事業所の定員と平均工賃月額ですが、障害のある方が雇用された企業で継続して働き続けれられることをサポートするサービスである就労定着支援サービスの場合は、定員と就労定着率が実績として考慮されます。
各サービスの最新の報酬算定構造に係る資料などは厚生労働省の以下のページに掲載されています。
まとめ
・障害者福祉サービスを提供する事業者には自治体から給付金が支払われる
・給付金は、事業所ごとの事業実績をベースに算定される
・就労継続支援B型事業所の場合は、事業実績として定員と平均工賃月額が考慮される
・給付金を利用者の工賃に企てることはでない。(スタッフの人件費などの事業所の運営費として利用する必要がある)